養護教諭は学校に1人配置が多いですよね。養護教諭の仕事は養護教諭にしかできないし、1人配置だからすべての業務を1人でこなさなければなりません。
ケガや体調不良の子どもたちの対応、不登校傾向の子どもたちの動向を担任や支援の先生方と情報共有、スクールカウンセラーさんとの日程調整や情報提供、学校医や学校歯科医の先生方との連携、それに加えて保健だよりの作成や保健室前掲示板の作成、保健委員会の運営などなど、とにかく仕事は多いですよね。
ただ、この仕事量を他の先生方に理解していただけていないのも事実。生徒に対して授業を行うわけでもないので、担任や教科の先生からは、ただ保健室にいて、怪我や体調不良者の対応をしておけばいい、忙しいのは定期健診のときくらいじゃないの?と思われていることもしばしば…
生徒の健康を担っているため、責任感ある仕事ですし、仕事量も多い、そのわりに周りから業務内容を理解されていないといった孤独感。
ストレスが溜まって、身体にも影響が出てきていませんか?
「休みたい」「もう辞めたい」
この言葉、自分の甘えだと思っていませんか?
今しんどいと思うのは、私自身が弱いからじゃないのか、本当はラクしたいから仕事を辞めたいんじゃないのか、この苦しみを乗り越えたら一人前の養護教諭になれるのではないのかといろいろ悩んだ結果、体調を崩した私が休職を選んだ理由や現役教諭の方々の悩みを集めてお話していきます。
いま、どうしたらいいのか迷って動けなくなっている方、一通り読んでみてくださいね。
養護教諭を辞めたいと思う人は多い?
養護教諭の休職率
令和元年度の養護教諭の休職率は、病気休職者が0.68%、精神疾患者が0.34%。
少ないのか、多いのかと言われるとどちらでもない、半々なところです。
と言いますのも、職種で言うと教諭が一番休職率が高かったのですが、在職している人数、休職している人数も養護教諭と比較するととんでもないくらい人数が多いからです。
ちなみに、下記の文部科学省が出している資料を参考とさせていただきました。
https://www.mext.go.jp/content/20201222-mxt_syoto01-000011607_03.pdf
個人的には、わりと休職している人数多いんだなあといった印象でした。
養護教諭の実際
責任のある仕事
養護教諭は学校に1人配属が多いです。( 生徒数の多い大規模校や私立学校の中高一貫とかですと養護教諭が2人配置となったりしますが。)
全校生徒が100人以下でも、500人程度でも学校に養護教諭は1人です。
生徒の中には難病の子、基礎疾患を持っている子、アレルギーを持っている子、てんかんを持っている子もいます。
その子どもたちを把握しておくこと、発作が起こったときの対応を把握し、実際にすぐに対応できるように準備しておくこと、そして他教員も対応できるよう指導すること。
子どもたちの命に係わることは、養護教諭が責任をもって努めなければなりません。
突然意識喪失する、心肺停止しているなど、救急を要するときも養護教諭が駆けつけ、指揮をとって行動する必要があるのです。
状況を把握し、一早く正確な判断を要する面で、きちんと見極めて判断し対応する。
これは簡単なことではないです。
また、定期健診やスクールカウンセリング等、外部の方に学校に来ていただく場面では、日時や必要物品など、間違えることがないよう、こまめに連絡を取り合ったり、管理職と相談するなど、計画の調整にも気を使わなくてはなりませんよね。
学校に1人だけいる存在なので、簡単には休むわけにもいかない。自分自身の体調管理をおこたるわけにもいきません。
とにかく責任が重い仕事であることは間違いないです。
事務作業がとにかく多い
事務作業。これ結構量がありますよね。
とくに年度始めは、始業式の前に保健調査票や健診時の注意事項、緊急時の対応など、とにかく職員の方々に説明するところから始まり、定期健診の結果を入力したり、結果の通知を配布したり、学校保健統計に提出したりとまあ忙しいです。
その他、スポーツ振興センターの災害報告や給付金の手続き、保健だより、保健室前掲示板の作成、年度末には、つくえ・いすの移動等あります。
毎日の保健日誌やちょっと気になる生徒の記録等、とにかくパソコンと向き合う時間が多いものです。
学校にもよりますが、残業の多い学校もありますよね。
私は、とにかく早く帰りたい人だったので、残業が確定するとイライラしていたものです。
業務を理解してもらない虚しさ
これは、教職員の先生方もですけど、生徒や保護者の方々からも楽な仕事と思われていたりして、「なんだかな~」と思ったことです。
「え。養護教諭って定時で帰れるのが強みじゃないの?」
「子どもが帰ってから何してるの」
「持ち帰りの仕事があるの?」
みんなが思ってるより仕事が多いんですー!!
学校の裏方的立ち位置なもんで、みなさん、養護教諭がどんな仕事してるかわからないですよね。
大規模校になると職員室にそもそも机がないとかありますよね。
とにかく居場所は保健室。
他の教員の方々と話す機会も少ない。
時々存在を忘れられる…
私は、臨時の職員会議に呼ばれなかった経験あり。なんだか居場所のない、孤立感ある仕事なんですよね。
相方の先生と価値観が合わない
これは、大規模校あるある。
相方の先生と価値観が合わなくてしんどくなる方、たくさんおられます。
なんなら、2人配置で協力し合って仲良く保健室経営をしているところは少ない気がします。
そもそも1人でマイペースに業務を行ってきている経験があるにも関わらず、急に相方さんのペースで仕事をするっていうことに慣れないってこともあります。
年齢も違えば、考え方も違うわけで。
ベテランさんの意見がどうしても納得できなくても、言い返せば空気が悪くなるし、言いたくもないことを生徒に向かって言わないといけないこともある。
子育て世代だけど、相方の先生が遅くまで仕事をしているとなんだか帰るずらくて、ズルズル夜遅くまで仕事をするはめになっている。
日中、休憩なしでもいいから仕事して、定時で帰りたいと思っているのに、謎のコーヒー休憩が行われるため、時間をロスするはめになり、結局定時に仕事が終わらなかった。
分担があまりにもあいまいで、自分がどこまで仕事をしたらいいかもわからない。
相方の先生と性格が合わず、やりにくい。ベテランさんに強い口調で言われるのがつらい。
なにより、逃げ場がなく、どんなに気まずくても保健室に2人きりで仕事をするという地獄のような日々…
いろんな意見を聞きますが、ちなみに私もこれで悩んで、体調崩して、リタイヤした人です。。。
養護教諭という仕事は大好きで、いつまでも続けていきたいと思っていましたが、心の病は身体をも破壊していくもので、涙は止まらない、頭痛薬を飲んでも頭がずっと痛い、耳鳴りが止まらない、そして常にめまいがあり、動けなくなったため休職。
復帰したところで、相方の先生と2人きりで保健室で働けるかといったら、確実に働けないし、働きたいとも思わなかったので、辞めることに決意しました。
正規職員だったので、みんなから「もったいない」と言われましたが、限界でした。
休職するのも大切なこと
自分の話も少しお話しましたが、私も休職した1人です。
休職中、すごく自分を責めてしまい、かなり苦しい時期も過ごしました。
職場に迷惑かけてしまったこと、子どもたちとの関わりもできなくなり、自分がなにも出来ていないことに悔しく感じたこと、自分という存在意義がわからなくなってしまったこと、眠れない、食事ものどを通らない、ただ涙がいつまでも流れる。
こんな状態でも「仕事に行かなくては…」と思ったのは、責任を感じていたからだったんだと思います。
精神崩壊に気づいていますか
いま、この記事を読んでくださっている方も、もしかしたら、転職を考えている方なのかもしれませんね。
いま、あなたの精神状態はどのような状態ですか。
仕事内容や人間関係に疲れること、ストレスを抱えることは、社会に出て働いている方はほとんどの方が感じていることでしょう。
しんどいのは自分だけじゃない と思って働けているのなら、それでいい。
たまにでも、仕事が楽しいと思えるのなら、それでいい。
かなりストレスたまるけど、それでもやりがいのある仕事だと誇れるのであれば、それでいい。
ただ、出勤するまでに吐き気が止まらない、何もないときに涙が止まらなくなる。
そのような状態でも、責任を感じて仕事に出ている方がおられるのであれば、一度仕事を休むことをおすすめします。
なんにもないときに涙が出るのは異常です。
涙が止まらないくらい、心が苦しんでいるのは正常ではない。
人間関係で悩んでいる方、自分が悪いと勘違いしていませんか?
一度、ゆっくり自分と向き合って、自分の精神状態を確認しないとどんどん自分という柱が崩れていきますよ。
ストレスは身体を壊していく
人間誰しも、精神的に苦しんでいるときは、身体に出ます。
小学生の子どもたちもそうです。
「おなかが痛い」「気持ち悪い」
その背景になんらかの悩みが隠れていることがあります。
これは子どもも大人も関係ない。
心の悩みは身体に現れてしまうものです。
仕事内容や人間関係に悩んで、ストレスを感じているときは、頭が痛くなったり、眠れなくなったり、食事がいつもより食べれなくなったりするものです。
心が弱ると身体もどんどん弱くなります。
しかも、質が悪いのは、心身が弱るのは一瞬のなのに、心身が回復するにはかなりの時間を要するということです。
心身がぼろぼろの状態になってからでは、もう時すでに遅しです。
心の病はとにかく悪循環です。
不眠から始まり、頭痛、食欲低下、倦怠感、やる気の消失、孤立感、孤独感、存在意義の追求。
この悪循環を断ち切るのは自分だけです。
心身疲れているときは頑張れない!! いや、頑張ったらいけない!!
いきなり仕事を辞める必要もないです。
いまはとりあえず休んで考える時間をとればいい。
頭も心もリフレッシュするために
心も身体も疲れ果てているときは、いきなり転職するのは辞めた方がいいです。
なぜなら正常な判断はできていないから。
「もうこんな職場辞めてやる」といきなり辞めて、違う場所に行ったって、心身ともに疲れているのだから、新しい職場でうまくいくはずがないです。
うまく気持ちを切り替えれる方は、スッと新しい職場になじめて、うまくいくかもしれませんが…
いきなり環境を変えることは危険かと思うのです。
かといって仕事を辞めて休憩するとなるとお金の問題が発生しますよね。
お金はかなり悩みの種となります。
心身ともに疲れて、お金の悩みを抱えるとなるとかなりしんどい。
それこそ崖っぷちの状態になってしまいます。
なので、私は休職するという選択肢もあるんだよーということをお伝えしています。
職場にはたしかに迷惑をかけるかもしれませんが、職場というものは、悲しいけれど、あなたがいなくても、なんとかして回せるものです。
誰かが代理でやってくれるし、それがつらくなれば新しい人を代理で入れて回すのです。
だから職場のことは考えなくていい。
とにかく自分のことを考えて、行動したっていい。
心身ともに疲れ果てているときは、何も考えず、ただ自分の思うままにしたらいいです。
しっかりお金をもらって、経済的な心配もない状況で、本当は自分がどうしたいのか、なぜこんなに悩んでしまったのか、なにをしたら自分は楽しいのかを考える時間を設けたらいいのです。
なにが大切かって 自分の心と身体の安定が大切です。
休職は逃げることではない
よく人は、弱っている人に向かって「逃げるな」といいます。
「逃げるのは、自分を甘やかしていることだ」
「今逃げたら何も変わらない、また同じような悩みが出たらまた逃げるようになる。そうやって人はダメになっていく」
この言葉は、ただの刃物です。
確かに、逃げてはいけない場面もありますよね。
勉強しないと受からない資格試験があるのに、面倒くさいから勉強しない とか、これは単なる甘えであって、逃げていると言われても仕方ないと思われます。
ただ、心身崩壊しているような人は、もうすでに頑張って頑張って頑張った人の結果です。
もうこれ以上自分を追い詰めたら、命の危険です。
逃げているのではない、もう限界まで頑張ったんです。
逃げるな という人たちの言葉をうのみにして、いつまでも頑張り続けたらどうなるのか、考えてみてください。
それでも頑張っているあなたが想像できたのなら、頑張ってもいいです。
ただ、自分の心と身体が崩壊している未来が見えてしまった方は、一度休んでください。
たまには休憩も必要です。
休憩して、復活したら、また発進したらいい。
ただ、それだけのことです。
さいごに
いまの仕事を続けるのか、一度休むのか、転職するのか、決めるのはあなたです。
自分の意見がまとまらないときは、人に話を聞いてもらって頭の中を整理することも必要だし、アドバイスをもらうことも大切です。
ただ、相談する相手は考えた方がいい。
あなたの人生を考えてくれて話してくれる方だといいのですが、例えば職場の方に相談して、職場の都合がいいように話をまとめる方もいます。
本当に自分を思ってくれてる方に相談してください。
そして、あまり話に流されませんように。
決めるのはあなた。
あなたの人生は、あなたが決める。
ゆっくり自分と向き合ってみてください。
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